愛し合うことはひどいこと

 

人を愛することはたしかに美しいが、

 

愛すると同時に生まれる苦しみにどう従えばいいんだろう?

 

 

これは夢・妄想だけど

 

あなたと共にいるときに、

 ただ一方的に幸せを与えられるわたしでいたかった。

 

 

愛することの苦しみを背負わないで、

 

どうか幸福だけを、喜びだけを、楽しい想い出だけを受けとってほしいとずっと思ってた

 

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わたしはずっと恋がしたかった

 

 

どんなに胸が詰まる苦痛があっても

それをお互いに背負いあえる共犯者が欲しかったということ

 

 

愛し愛されるだけで胸が苦しいなんてひどいことだ

 

ただ幸せにしたいと溢れる想いが涙をもたらすなんてほんとうにひどいことだ

 

 

お互いにそう識りながら、

それを口には出さずに見つめ合える人。

 

 

そんな人に出会っては恐ろしさのあまり逃げ出すわたしの人生。

 

 

 

人を愛するのがどんなことか知っていますか?

 

愛することの恐ろしさに飲み込まれて二度と現実に戻れないことです。

 

 

 

 

 

まぼろしを引き寄せて

 

娘がいる夢をみた。

 

その子は生まれた次の日に歩いて言葉を話し動き回っていた。

 

だけど彼女には痛覚がないので

自分で自分の指を切り落としてしまった。

 

わたしはそれをみて延々となきながら、

「それでもあなたは本当に可愛い」

と言い続ける。

 

狂った世界で幸せに暮らすわたしと娘。

 

これは現実での話だが、

わたしは一時期娘を産みたいと思っていて名前も考えていた。

 

わたしの存在しない娘の名前は藍子という。

 

多分これからも産まれることはない子供。

 

だけどわたしの中にずっと存在している子供。

 

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わたしが過去に自分が大切にしていたもの

 

大切にしていた気持ち 大切にしていた人

 

この現実でわたしが愛しわたしを愛してくれたあらゆるもの。

 

どんなに大切だと感じていても眠って目が覚めたら

 

なぜあんなに大切だったか分からなくなっている。

 

過去の記憶をなぞれば、

なぜ大切に思っていたのか理解はできる

 

でもそのときの想いは二度と現れず

 

わたしは現実から乖離して何度も大切なものを求めなおす。

 

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わたしの存在しない娘も

 

あんなに焦がれていたのに一度も触れることがなかったあの人も

 

存在していないから毎日思い出す。

一日に何度もその存在をなぞる、愛しくてたまらない。

 

存在していない彼女たちは

 

絶対に現実に関与してこない。だからこんなに愛しいんだ。

 

わたしは今日も現実を剥ぎ取って

 

出会えない彼女たちを想って幸せに生きていた。

 

 

 

 

 

 

握手をし忘れた

 

忘れたくない、

友達との楽しい時間が終わるとき

 

わたしは握手をして別れる。

 

目でみた記憶はとても儚いから

少し時間が経てばたちまち思い出せなくなってしまう…

 

それが悲しくて、

わたしは友達と握手をするようになった。

 

自分の手と友達の手が合わさる感触は、もしかしたら自分が死ぬまで覚えてられるかもしれないと

 

そう思ってるから、

願いを込めて温かい手のひらに触れる。

 

 

でもこの間、とても楽しかったのにその気持ちを伝え損ねた

 

握手するのを忘れて友達と別れてしまった。

 

 

ああわたしはほんとうにバカだ!

 

 

死んだ家族、死んだ友達

 

 

みんなの姿が日に日に思い出せなくなるのが悲しくてはじめたことなのに

 

わたしは全然学習してない…。

 

 

友達と別れて、ひとりで家に帰ったあと

 

楽しい気持ちと後悔の気持ちと悲しい気持ちがグチャグチャになって

 

わたしは声を出して泣いてた。

 

 

君が生きてくれてるから毎日たのしいよ、そしてすごく嬉しい

 

君といつか離れ離れになると思うと毎日悲しいよ、すごく辛い

 

 

だから今度会ったら必ず握手をしてさよならを言う。

 

 

悲しさと楽しさと仲良く生きてくには、それぐらいしかできることがないからさ。

 

 

毎日

 

1日が終わるそのときに

 

意識がもうろうとするなか絵を描いてるのですが

 

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果たしてわたしは何を描こうとしてるのか

 

どう描こうとしてるのかなんて考える余地のないなかペンを走らせ

 

「ほんとに訳わからないもの描いてるなあ」と思う

 

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(今日の収穫

 

人間たちは抱き合っててもどこか怪訝な顔をしてるけど

 

人が作り出した人形のようなものは、何の疑いもない様子で互いを想いあってるようにみえる)

 

 

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愛ということばが気に入らない

 

「互いに好き合う」

 

よりも

 

「互いに恋焦がれる」

 

のほうが現実を表してるように感じるし

 

「愛し合う」

 

って言葉が

 

何よりも現実離れしてる気がするのはなぜだろう。

 

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愛し合ってるっていうのは

 

さもお互いの気持ちを手中に掴んだ者同士の言葉のようで

 

そんな一生を通してもあり得ないような現象に漢字一文字で名前がついてしまうなんて恐ろしい。

 

 

どんなに互いを理解していると信じても

 

必ず互いに肩透かしを喰らうようなすれ違いがあり

 

互いを見つめ合っていたと信じていた眼差しがまったく別のものを見ていた、なんてこともある。

 

 

どんなに恋焦がれても、

他人の眼差しに乗り移ることはできない。

 

 

 

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焦がれている者同士が向かい合ってみているのは

 

思いびとの横顔と 

永遠に焦点の合わない眼差し。

 

 

人生で一番幸せなとき

 

今日たまたま一緒に食事をした人と

 

「生きててどんなときに幸せだと感じる?」

 

っていう話をした。

 

その人は

 

「セックスしてるときが一番幸せ!」

 

と、何の淀みもなく言い切るので

 

なんだか楽しくて笑ってしまった。

 

 

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セックスが幸せなんて素晴らしい。

 

なんでだろう?気持ちいいということ以外になにか幸せの理由があるとしたらそれは

 

 

「人に受け入れられた」という喜び?

 

「この人に愛されている」という安堵感?

 

 

わたしには分からないなと思って、セックスについては口をつぐんだ。

 

目の前にいるこの人は、

 

他人に受け入れられた喜びと引き換えに失うもののことを考えないんだろうか?

 

わたしはいつも考える。同じ人と何回セックスしてもそうだ、今回わたしは何を失うだろうかと。

 

 

それはあなたに対する

 

 

尊敬

親しみ

子を想うような愛おしさ

触れ合わないからこそ幸せだった「あのかんじ」

別々の人間であることの誇り

2人の関係に終わりはないという確信

「永遠」の感覚。

 

 

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振り返ればわたしはセックスで色々なものを失ってきたんだなあ。

 

得たものより失ったもののほうが大きいのではないか、とか

いやいやそれでも愛しあうことに意味はあったとか、そんな葛藤はもはや消えたけど

 

 

性器と性器が触れ合うときの胸を刺すような苦しさは一体なんなんでしょうね?

 

 

肉体の表面を通して分かるのは

 

「あなたとわたしは永遠に同じにはなれない」

 

っていう

ただその1つの真実だけだ。

 

 

だからわたしはあなたの中に入りたい。

 

あなたの頭のなか

あなたの瞳のなか

あなたの心臓のなか

あなたの首のなか

それからあなたの指と爪の間とか

あなたの夢のなかとかね…。

 

 

セックスを通してあなたの中に入れることはあるんだろうけど

 

そこに至るまでにどれだけの悲しみと痛みと諦めがあるのかなあ。

 

 

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いずれにせよわたしは

 

永遠を感じさせるあなたの

 

まるで獣のような美しい瞳を見つめているときが一番幸せです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の底に沈んだら

 

この植物はあの人が好きそうだな

この景色はあの人と見たいな

この話はあの人としてみたいな

いつかあの人と、ここに一緒に来たいな

 

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今日は台風が近づいてることもあり、海は大荒れ。

遊泳禁止地域がほとんどのなか、無理やり泳げるスポットでシュノーケルをやるという危険なひととき…

 

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海があまりに力強くて、ただ必死にしがみつくよう泳ぐばかり

 

見ているときはあんなに苦しかった海。

 

いざ入ってしまえばそんな焦燥を患う隙もないくらい、ただただ広大だった。

 

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人が人を想わずに生きられる瞬間なんてどれほどあるだろう?

 

わたしには今までの人生で3回くらい、そんな瞬間を味わったことがある。

自分のことさえ忘れてしまうほど自然に圧倒されたことが。

 

 

 

海の中に潜って深い底を眺めていると、久しぶりにそんな気分に浸り

 

そうか、みんなこの感覚を求めて海深く潜っていくんだろうか?

 

わざわざ息もできないところへ行くんだ。これは人間に昔から備わってる衝動なのかも。

 

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わたしがどんなに人を想ったところで、

それは実在するあの人やあの人やあの人とは違う。

 

わたしの頭の中に存在しているだけの、都合のいい歪んだ存在。

 

 

好きという気持ちににはうんざりさせられる。

愛してるなんて言葉は吐いて捨てたいくらい憎い。

 

自分の欲のためにそういう感情を正当化するのは気持ちが悪い

 

 

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わたしはどこまでも歪まない真っ直ぐな眼で世界を捉えて見たかったが

そんなことできるはずない、わたしは一人の人間で自分以外の人の存在を確かめるすべを持たない。

 

隣にいて同じ食事をとっても

ときどきじっと見つめあっても

互いに触れ合うキスをするセックスをして一緒に眠り生活を共にしても

 

あなたの考えてることなんてちっとも分からない。分かり合える瞬間なんてものがあったらそれは死んだあとの話をするときだ。

 

 

 ずっとずーっと続くながい道のりのなかでわたしは水になって

 

何度でもあなたに会いたい。出会えるまでずっと流れ続ければいいだけなんだから幸せなものだ

 

川の水が流れていつか海になるように

人を愛する気持ちも最後には海の底に沈んで消えてしまってほしい。

 

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わたし、そうなって初めて人を愛せそう。